中古で買った自動車や家屋のような期間と使用によって経過するとともにその価値が減少していく資産の中で、非業務用資産であったものを不動産所得、山林所得、事業所得、雑所得などが発生する業務用に使う場合の減価償却費は、最初に、非業務用資産として使っていた期間の減価額を計算して、ここから算出された減価額をその資産の取得の価額から控除した残額が業務用として使った期間における当該資産の未償却残高となります。
この未償却残高を基とし、業務用として使用した後の減価償却費を算出することになります。この計算の際には、中古資産の見積もり耐用年数の償却率で計算され、具体的な計算式は次の通りです。
対象資産の取得価額から、その資産と類似の減価償却資産に関わる耐用年数に1.5をかけて算出した年数によって旧定額法に従って計算した額数に、資産を業務用として使用していなかった期間の年数をかけて計算した金額を控除した残額が、業務用として使った期間における当該資産の未償却残高です。
対象資産の取得価額‐業務用として使用していなかった期間に対し、耐用年数の1.5倍の年数で、旧定額法に従って算出した減価額=未償却残高
*業務用として使用しなかった期間のなかで1年を持たない日数がある場合は、6カ月以上の日数は1年と、未満の場合は切りすてることとなります。
*1.5倍の年数に1年を持たない日数がある場合は、切りすてます。
*非業務用資産の減価額の算出は、旧定額法に基づくということを注意してください。また、この減価額の計算は、所得税法施行令第134条第21項の適用の対象にはなりません。したがって、減価額の累積額が取得の価額の95%の額数に達した非業務用資産を業務用として使う場合は、2008年度分以降でも所得税法施行令第134条第2項の定めによって、減価償却費が計算されます。
*1952年12月31日の前に得た資産を業務用として使う場合は、
1.1953年1月1日での価額として同日の対象資産の現況に対して、同日での資産につき、贈与税や相続税の課税標準の計算で算出すべきこととして国税庁長官の決めた方法で計算された価額
2.1953年1月1日の以降に支払った改良費、施設費等の資本の支出の合計を基礎として業務用として使用した日の未償却残額が以下の計算式で算出されることとなります。
対象資産の取得価額‐対象資産の取得価額を基にして、1953年1月1日から業務余として使用した日の前の日までの期間につき、その耐用年数の1.5倍の額数で旧定額法に従って算出された減価額=未償却残高
そして、減価償却資産の償却は、その取得年月日が1998年3月31日の前の場合は、建物とそれ以外の有形減価償却資産は両方とも旧定額法や旧定率法で決められ、1998年4月1日~2007年3月31日の間の場合の建物は旧定額法で、建物以外の有価減価償却資産は旧定額法や旧定率法で計算することになり、2007年4月1日の以降の建物は定額法、それ以外の有形減価償却資産は定額法や定率法で算出されます。
業務用に使用した後の中古資産の耐用年数は、その決定耐用年数を問わず、対象の中興資産の取得時以降の使用が可能な期間の年数を耐用年数と同様の扱いにすることが可能です。この場合、これからの使用可能期間の見積もりが困難な場合は、以下の算式で算出した「簡便法による年数」にすることも可能です。
<簡便法>
1.法定耐用年数の一部が過ぎた資産:(法定耐用年数‐経過年数)+経過年数X0.2%
2.法定耐用年数の全てが過ぎた資産:法定耐用年数X0.2%
*1年を超えない日数は切りすて、年数が2年を超えない場合は2年の扱いになります。
*ここでの経過年数は、新築してから取得した時期までの期間となります。
これらによる減価償却資産の償却費は、旧定額法と旧定率法、そして 定額法と定率法という方法ににわかれ、未償却残高の額数をその業務用として使用した日の資産の未償却残高とみなし、簡易法の償却率を使って、一版の場合と同様な計算をします。